角運動量と同期する出力関数構造を用いた着地制御

 人間の着地運動にはつま先立ちとなる劣駆動な状態が存在するが, ZMPを用いる既存研究においてはそのような劣駆動な状態は考慮されていない. また,劣駆動な状態が考慮された既存研究においても, 関節を屈曲・伸展させることによって着地の衝撃を吸収する人間らしい動作が達成されている例は少ない.

 本研究では接地点まわりの角運動量が持つ性質に着目し, これに制御対象の関節角を同期させる出力関数を構築することによって着地安定化が達成される. 本研究の特徴として, 接地点まわりの角運動量は着地の安定化の程度に応じて値が変化する物理量であり, これに関節角を同期することによって安定化までの関節角の屈曲・伸展運動が実現されることが挙げられる. また,出力の零化が達成されることによって残るゼロダイナミクスが平衡点の近傍ではバネ・マス・ダンパ系のような減衰システムとして振る舞うことも特徴の1つである. この減衰特性を利用して, 着地の衝撃を吸収し安定化が達成される.

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投稿論文・学会発表

  • 伊庭 達哉, 伊吹 竜也, 三平 満司, "ZMP を考慮した4リンクロボット着地手法の検討", 第14回 「運動と振動の制御」シンポジウム, 2015
  • 石川温人,伊吹竜也,三平満司,"角運動量と同期する出力関数構造を用いた4-linkRobotの着地制御",第1回制御部門マルチシンポジウム,計測自動制御学会,2014
  • 伊庭達哉, 伊吹竜也, 三平満司, "ZMP を考慮した4リンクロボット着地手法の検討", 第14回 「運動と振動の制御」シンポジウム, 日本機械学会, 2015