const_two_model.png 現実の制御対象には,システムの状態に関する制約が存在する. この問題に対して,座標変換と入力変換の写像対を用いることで制御則を設計する手法が先行研究で提案されている. 本研究では移動領域制約を考慮した2輪車両型移動ロボットの位置姿勢制御を行う.

シミュレーション

まず,2輪車両型移動ロボットに対して運動学モデルを与え,このシステムに対する移動領域制約を考慮していない既存の漸近安定化制御則を考察し, 移動領域制約を満たした安定化ができない場合があることを示す. つぎに,既存の制御則に加えて,上記の変換を用いることで,新たに移動領域を考慮した制御則を設計する. 最後に,具体的に長方形の移動領域制約を考慮した際に制御則設計を適用し,シミュレーションにより移動領域制約を満たした安定化が達成されることを示す.

移動領域制約の考慮なし

移動領域制約の考慮あり

実機実験

理論の検証のために実機実験を行う.しかし,上記の設計制御則は入力が過大になることがあるため,実験機で実現するためには入力制約を考慮した制御則が必要となる. そこで,入力が上限値を超えた際には,2つの入力の比を保ちながら,超えた入力を上限値で飽和させることで,入力制約の有無に関係なく同じ軌跡となるような制御則を提案する. 以上の提案制御則で実証実験を行い,提案した制御則の妥当性を示す.

移動領域制約の考慮なし

移動領域制約の考慮あり

入力が過大になる条件での実験(初期状態を移動領域制約の境界に近づけた場合)

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